家の傾きを予防する方法はあるの?
傾いた家に住んでいると、頭痛や吐き気、めまい、慢性疲労などさまざまな健康被害の原因になることがわかっています。
わずか0.3度という傾きでも違和感を感じ、何らかの健康被害が現れることもあるのです。
家の傾きというのは、決して甘くみてはいけません。
傾きを放置した場合、健康被害も問題ですが、地盤沈下や家の劣化によって傾きがひどくなってくると家屋が倒壊する恐れも出てきます。
家の違和感を感じたら早急に調査と修繕工事を行うことが大切ですが、事前に家の傾きを予防し、リスクを少なくしておくことも必要です。
では、家の傾きを予防する方法はあるのでしょうか。今回は、家の傾きをあらかじめ防ぎ、安心して暮らせる方法をご紹介します。
目次
日々のメンテナンスで早期発見
家の傾きは、早い段階で発見できれば必要最小限の工事で済み、修繕費用を抑えることができます。
家の傾きを早期発見するには、日々のメンテナンスが大切です。
半年や1年に1回ほどの頻度で、家の周りを回り、傾いていないかを測ることが望ましいですが、それ以外にも「シロアリに食べられているところはないか」「湿気やカビで腐っている部分はないか」など、家の外側もしっかり確認してみましょう。
カビ臭かったり、異様な音がする場合は家のどこかに異常が生じ、傾きに繋がる恐れがありますので、専門家に調べてもらうことをおすすめします。
また、10年、15年経ったあたりで外壁の洗浄、塗替え、屋根の葺き替えや基礎の補修など大規模な修繕を行うことも大切です。
毎月1万円ずつでも修繕費を貯金しておき、しっかりとメンテナンスをしながら住むことで家を長く持たせ、安心して暮らしていくことができるでしょう。
さらに、家の傾きは家の重量の偏りによっても起きてしまいます。
重たい家具が家の片側に寄っていないかも確認してみてください。重たい家具がある場合は、なるべく均等に配置しましょう。
家の重量自体を減らすためにも、必要のないものは処分して、できるだけ大きな家具を少なくすることも大切です。
不安があれば「地盤改良工事」をしよう
地盤改良工事は、地盤を強化して建物の傾きを抑える工事で、薬液注入工法や表層改良工法などがあります。
表層改良工法は、比較的浅い軟弱地盤の場合に採用され、地表1m~2mほど掘り起こしてセメント系の固化材を混ぜて地盤強化を図るという工法です。
狭い場所でも施工が可能で、短い工期で地盤改良工事の費用も抑えられます。
薬液注入工法は、薬液を注入管を通して地中に入れ、止水や地盤強化を図る工法です。
中でも「グランドコンパクション工法」と呼ばれる工法は、軟弱地盤対策や家の傾きの予防としておすすめです。
軟弱地盤の最下部から薬液を入れて地盤を固め、軟弱地盤を圧縮していく工法で、このグランドコンパクション工法を施工することで、家の傾きを修正、予防できます。
中古物件を購入するなど、建物がすでに建っている場合でも、これから家を建てる場合でも、 グランドコンパクション工法は施工が可能です。
暮らしている家の地盤を強化したいという場合でももちろん工事は可能で、レフトハウジングでは工事中であってもガスや電気、水道はいつも通り使うことができます。
また、レフトハウジングでは再施工が必要となるような工事は行っていませんが、万が一地盤の再沈下などがあった場合は、工事を無償で行う「10年保証」がついています。
家の傾きは放置すると厄介で、家が傾く前に、また傾きがひどくなる前に手を打っておいた方が良いでしょう。
住宅購入前には地盤を調べることが大切
日本では地震が多く、小さい地震であれば毎日のようにどこかで起きています。
そして近年では大雨による被害も多く、 地盤の液状化や土砂災害の危険性がある場所は日本各地にあります。
そのため家を建てる際には、その土地の地盤がどのような状態なのかを事前に調べることが重要です。
しかし、地盤の強度は見ただけではわかりません。 丈夫な地盤のように見えても、調べてみると実は軟弱地盤だったということもあるのです。
地盤の状態は専門業者に調べてもらうことで、この先20年、30年と安心して暮らしていくことができます。
中古物件を購入する場合は「インスペクション」という調査が有効です。
インスペクションとは建築士などの建物のプロが、住宅の劣化や欠陥の有無を調べ、メンテナンスが必要な部分や、修繕、改修工事のタイミングなどを第三者的な立場でアドバイスするというものです。
中古住宅に関しては、過去にどのような修繕、改修をしてきたかによって状態が異なります。
そのため、築年数だけでは住宅の状態が判断できないのです。
住宅を購入する前に、地盤調査に加え建物の状態も調べておくことで適切な処置ができ、家の傾きを予防することにつながります。
これから住宅を建てるなら「基礎改良」をしておこう
傾きを予防するなら、家を建てる際に基礎を改良するという方法もあります。
基礎改良には、「小口径杭工法」と呼ばれるものがあり、小口径杭工法というのは基礎の下に小さな鋼管杭を挿入して建物を支える工法です。これは地盤沈下の影響を少なくする効果もあります。
軟弱地盤の範囲があまり深くなければ、小口径杭工法に加え、地表にセメント系固化材を混ぜて地盤強化を図る「表層改良工法」も行っておくと、より傾き予防に役立ちます。
基礎の工事は家が建っていても行えます。
基礎は家の土台となる大切なものですから、基礎の補強工事を行うなどのメンテナンスも重要です。
家の基礎にひび割れがあった場合は、基礎の中の鉄筋が錆びたり、コンクリートの劣化を早めてしまったりするので危険です。
その他、シロアリがひび割れの部分から侵入する恐れもあるため、基礎にひび割れが見つかった時は早めに補強工事を行いましょう。
また、耐震性を高める目的で、「基礎の増し打ち」という工法があります。
基礎の増し打ちは、元の基礎の隣に新しくコンクリートを打って基礎をつくるという補強方法です。
古い家だと鉄筋コンクリートの基礎ではないという場合も多く、基礎の増し打ちをすることによって、鉄筋コンクリートによる基礎で強度を上げることができます。
基礎の部分が劣化していると、家の傾きの原因になってしまいます。
ひび割れ補強も基礎の増し打ちも、必要な箇所だけの部分工事になるので、一時的に引っ越す必要はありません。
家の基礎は普段あまり見ないところですが、家の傾きを予防するためにも、たまに確認してみることが大切です。
家の傾きは予防と早期発見が大切
家の傾きを予防しておくことで、安心して暮らしていけるということはもちろんですが、ひどい状態になってから工事をするよりも費用や工事にかかる時間を節約できます。
地盤沈下やシロアリ被害などで家が傾いてしまうことによって健康被害が起こり、仕事に支障がでてしまうかもしれませんし、家の問題を放置することで後に大規模な工事が必要になってしまうかもしれません。
そうなると経済的な負担は大きくなります。
経済的な負担や体の負担を考えても、早い段階であらかじめ家の傾きを防ぐ工事をしておく方が得策なのです。
これから家を建てる方も、そうでない方も早めに地盤調査を行い、適切な処置を行うことで家の傾きを防ぐことが可能です。
少しでも不安があれば、専門の業者に地盤や建物の調査を依頼することをおすすめします。