電話でのお問い合わせ メールでのお問い合わせ

仮住まい・引越し不要で家の傾きを直せる!?

ビー玉が転がるだけで赤信号?家の傾き検査「ビー玉テスト」の注意点とは

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
ビー玉が転がると赤信号?家の傾き検査「ビー玉テスト」の注意点とは

床に置いたビー玉が転がったから、この家は傾いていて危険! 欠陥住宅! 今すぐ引っ越し!

……その「ビー玉テスト」の検査結果をすぐに信じるのは少し早いのかもしれません。

 

フローリングでビー玉が転がるシーンは、欠陥住宅をテーマにしたテレビ番組でよく取り上げられるため、欠陥住宅を見極める常識のように思われています。

しかし人の手で作り上げる住宅は、傾きを完全にゼロにすることは不可能です。

 

この記事では、ビー玉による家の傾きチェックは正しい方法なのか、そもそも傾きはなぜ起こるのか、これらの疑問について解説していきます。

併せて、家や床の傾きがもたらす健康被害・体調不良についてもご説明いたします。

 

「ビー玉が転がる=欠陥住宅」と判断できない理由とは

「ビー玉が転がる部分」は、新築を含めて多くの住宅に存在しています。

全く誤差のない家作りは不可能で、建築のプロが建てたとしても誤差は必ず生じるはずです。

床面を地面に対して平行に建築したつもりでも、素材の一部がたわんでしまって、傾きが発生する場合もあります。

摩擦が少ないフローリングであれば、許容範囲内の施工誤差による傾きでも、ビー玉が転がる可能性があります。

ですから家の中でビー玉が転がったからといって、すぐ欠陥住宅と決めつけるのは早計なのです。

深く考えずに欠陥住宅と決めつけてしまうと、施工会社との不要なトラブルを起こしてしまったり、必要のない補強工事を行ってしまったりするリスクが考えられます。

 

では、家の傾きがどのレベルまで達すると問題になるのでしょうか?

人体の平衡感覚に影響するほどの傾きは大問題で、めまいやふらつきなどの体調不良を引き起こす原因となってしまいます。

家の傾きの許容範囲と、ビー玉が転がる角度との関係とは?

国土交通省は住宅品質確保促進法(品確法)によって、細かな基準(施工誤差が許容範囲内かどうか)をまとめています。

品確法の「床の傾斜に関する基準」には、傾斜角度が1000分の3以内であれば、問題が発生する可能性は低いと示されています。

つまり1メートル離れた場所で3ミリ以下の高低差であれば、住宅の耐久性や、住んでいる人の健康に悪影響がないレベルの誤差と言えるでしょう。

そして覚えておきたいことは、床の傾斜角度が「1000分の3」以内であっても、ビー玉は転がってしまうという事実です。

ビー玉によるチェックだけでは正確な判断が難しい理由は、この事実が背景にあるからです。

 

なお、誤差が1メートルにつき6ミリ以上(1000分の6以上)になると問題が発生する可能性が高いとされています。

このレベルの傾きがあるフローリングであれば、そっと置くだけでビー玉は加速しながら転がっていくでしょう。

ただ、家全体に関わる傾きでない場合(リビングの一部のみ傾いている等)は、大きな欠陥とは断定できません。

家の傾きはなぜ起こる?

一般的な住宅の場合、家の傾きの原因として一番多いのは、地盤そのものに問題がある「不同沈下」です。

不同沈下とは、地面が部分的に陥没して凸凹になった状態、もしくは地点によりレベルが異なる地盤沈下が発生している状態のことです。

* 全体が均一に地盤沈下した状態は「等沈下(とうちんか)」と言います。

 

家は水平に建てていく必要があるため、施工中には何度も測量(傾きの検査)を行います。

ただこのような手順を踏んで水平に家を建てたとしても、建てた後に地盤そのものが歪む場合があります。

そして地震大国と言われる日本では、この不同沈下現象がたびたび起こってしまうのです。

 

日本の住宅地の多くは山林を切り開いた場所に作られていて、傾斜地を造成するときは「盛り土」を行います。

この盛り土の転圧が十分ではなかった所は、年月が経つと徐々に沈下していく可能性があるのです。

過去には広範囲にわたる大規模な住宅造成地で、徐々に中心部分の地盤が陥没していくことで不同沈下現象が発生し、複数の住宅が傾いてしまった事例がありました。

他にも、堀込車庫(建物の下で洞窟のように作られた車庫)がある住宅など、基礎下の地盤強度が不均一な土地では、不同沈下が起こりやすくなります。

地盤以外の原因では、シロアリによって住宅の土台部分が破損してしまい、傾きが発生するケースもあります。

家の傾きが引き起こす深刻な被害とは?

家の傾きが引き起こすリスクは、大きく分けて「家屋倒壊」と「健康被害」です。

基礎そのものに傾きがあるわけですから、数十トンもの家屋の重量が、骨組みである柱や床に対しアンバランスに負荷をかけ続けている状態と言えます。

傾いていて不安定な家は耐震性に問題があり、地震の多い日本では大きなリスクでしょう。

 

健康に対する悪影響は、日本建築学会が発表している「液状化被害の基礎知識」が参考になるはずです。

傾きのレベルが「1000分の6」を超えると、めまいや頭痛などの健康障害が生じ、「1000分の7」より大きな傾きでは、強い疲労感や睡眠障害が起きる可能性が高くなります。

まずは家の傾きの検査・診断から

国土交通省が定めている住宅品質確保促進法(品確法)の基準をはるかに超える傾きが確認できたり、健康上の問題が起きたりした場合は、まず専門家に家の傾きを検査してもらいましょう。

もし建物の構造が心配であれば「住宅診断士」に診断してもらうことをおすすめします。

住宅診断士は、住宅の経年変化についての豊富な知識や、実際の補修工事の経験をもとに、精度の高い検査・診断をしてくれます。

国土交通省は住宅の診断に対して「既存住宅インスペクション・ガイドライン」を定めています。

ただ、住宅診断士は公的資格になっていないため、資格試験を主催している団体が独自の基準で資格を発行していることには注意が必要でしょう。

 

床下や屋根裏を含む家屋全体の検査を依頼した場合で、10~15万円程度が相場です。

コストが気になる場合は、ご自分でスマホのアプリを使って傾きを測定するか、もしくは家の傾きを無料調査してくれる業者に依頼すると良いでしょう。

 

【参考記事】 スマホで家の傾きをチェック!簡単に使える『傾斜測定アプリ』6選

スマホで家の傾きをチェック!簡単に使える『傾斜測定アプリ』6選

家の傾きを改善するための対処法とその費用感

では診断の結果、深刻なレベルに達していると判明した場合、どのような対応が必要なのでしょうか。

多くの場合、傾いている基礎そのものをジャッキアップして、家屋全体を持ち上げます。

傾きの度合い・傾いている範囲・基礎の種類により費用は変わりますが、300万円前後が一般的です。

いずれにしろ100万円を超えるクラスの工事となることが予想されます。

幸いにも深刻ではなく、ごく狭い範囲の傾斜修正工事の場合は、数十万円で済むケースもあります。

施工誤差による家の傾きはつきもの。ただ、どうしても気になる場合には専門家に相談しましょう

いかがでしたでしょうか。

ご紹介したように床に置いたビー玉が転がってしまったからといって、大慌てするのはまだ早いのです。

ビー玉やゴルフボールを転がしてみる、傾きを調べるスマホアプリを使ってみる等、自分で判断する方法もありますが、やはり専門家に相談するのが一番確実です。

気になってモヤモヤしている時間ももったいないですから、悩みは少しでも早く解決して、快適な暮らしを取り戻しましょう。

このページの用語解説

地盤沈下(じばんちんか)とは

土の中の隙間が埋まって表層の土地が陥没すること。地震による液状化でも発生する。

不同沈下・不等沈下(ふどうちんか・ふとうちんか)とは

地盤沈下の影響で建物が傾いた状態のこと。地盤沈下がおきても、建物がストンと傾かずに沈下した場合は不同沈下とは言わない。

盛り土(もりつち・もりど)とは

斜面の土地で、低い部分に土を入れて平坦な地面を作ること。比較的軟弱な地盤になる。

ネットからの無料相談