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仮住まい・引越し不要で家の傾きを直せる!?

家の傾きを放置すると危険?不同沈下が建物や体に及ぼす影響のまとめ

家の傾きを放置すると大変?不同沈下が建物や体に及ぼす影響のまとめ

「外壁に亀裂が入っている」

「建具が閉まりづらくなった」

「床がきしんでいる」

などの不具合を確認できた場合は、家が不同沈下を起こしているのかもしれません。

家の傾きを放置していると、扉やふすまが閉まりづらくなるだけでなく、めまいや頭痛、吐き気などの健康障害を引き起こす可能性もあります。

 

今回は、不同沈下が建物や体に及ぼす影響についてまとめました。

 

不同沈下(ふどうちんか)とはどんな現象?

不同沈下とは、建物が不均一に沈下する(傾く)現象のことです。

なお、建物全体が水平を保ったまま、均等に沈下する現象は等沈下(とうちんか)と呼びます。

等沈下の場合、地盤に対して水平に建物が沈むため、負荷が偏ることはほとんどありません。

 

一方、不同沈下は、建物の部位ごとの荷重や地盤の強度に応じて局所的に沈むため、負荷が一個所に偏ってしまいます。

そのため、等沈下よりも不同沈下のほうが、建物へ与えるダメージは大きいと言えるでしょう。

不同沈下が及ぼす悪影響

不同沈下は建物へダメージを与えるだけでなく、深刻な健康障害を招く恐れもあります。

ここでは、不同沈下が及ぼす悪影響について具体的にご説明します。

建物への悪影響

不同沈下による建物への影響不同沈下により家が傾くことで、家を支える骨格である基礎部分や構造材に、亀裂やゆがみが生じてしまいます。

骨格部分の亀裂やゆがみは、「窓が開けにくい」「ドアが閉まりにくい」といった不具合を引き起こしやすく、生活の質を下げる大きな要因といっても過言ではないでしょう。

 

柱や壁など、家を構成している素材は水平時を想定した強度で作られています。

不同沈下を放置すると、家の構造に偏った負荷が加わり続けるため、亀裂やゆがみが少しずつ拡大していくため注意が必要です。

 

また、断熱性や気密性が失われるため、エアコンの効きが悪くなったり雨漏りを起こしたりしてしまいます。

ひどい場合は、ガス管や水道管などの埋設管にも亀裂が入り、水漏れガス漏れを起こし、生活ができなくなってしまうこともあるのです。

健康障害

不同沈下による健康障害傾いた家で生活を続けることで、深刻な健康障害を引き起こすことがあります。

例えば、めまいや吐き気、頭痛などの症状が出た場合は要注意です。

三半規管に障害が発生している可能性もあり得るでしょう。

また、家の傾きは自律神経のバランスにも悪影響を及ぼし、不眠食欲不振などの体調不良とも大きく関係しています。

家の傾きの角度による体感とは? 傾斜角度ごとに人の感じ方を解説

家の傾斜角度が大きくなるにつれて、人の感じ方はどのように変化するのでしょうか。

以下では、傾斜角度別に人がどのように感じるのかをご紹介します。

 

  •  1/1,000(0.06°)→ 違和感なし
  •  3/1,000(0.17°)→ 違和感あり
  •  6/1,000(0.34°)→ 傾いていることを認識
  •  10/1,000(0.57°)→ 傾きを認識し、苦痛を感じる
  •  15/1,000(0.86°)→ めまいや頭痛などの健康障害を引き起こす

 

傾斜角度1/1,000とは1メートルにつき1ミリ傾いている状態のことです。

人間はわずかな傾きであっても違和感を覚えるようです。

「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」および「国土交通省告示」によると、新築の家では3/1,000(0.17°)以内が許容範囲内中古住宅では6/1,000(0.34°)以内が許容範囲内とされています。

 

【参考記事】 家の傾きの許容範囲は何度?調べ方から修理費用まで総まとめ

家の傾きの許容範囲は何度?調べ方から修理費用まで総まとめ

 

なお、傾斜角度が10/1,000(0.57°)を超えると、健康障害を引き起こす可能性が高まります。

傾いた家での生活に慣れてしまい、違和感を覚えなくなった場合は、無意識に体にダメージを与えている状態です。

傾いた家の中で問題なく生活できていても、外出して水平な場所に立った際にめまいを感じる水平な場所でつまづく、などの症状が出てしまうことがあります。

健康被害が進行している場合は、たとえ今は我慢できる傾きであっても、できるだけ早めに沈下修正工事などの地盤沈下対策を考えなければなりません。

おわりに

不同沈下は、建物の均衡を崩す形で進むため、建物を支える基礎部分や構造材へのダメージが大きいことが特徴です。

また、不同沈下が原因で、健康障害を引き起こす可能性もあるでしょう。

家は震災で一度に大きく傾くこともありますし、経年圧密を原因とした地盤の不同沈下(圧密沈下)により、徐々に傾いている場合もあります。

 

【参考記事】 住宅が地盤沈下する原因、「圧密沈下」と「液状化」を知っておこう

住宅が地盤沈下する原因、「圧密沈下」と「液状化」を知っておこう

 

気づかないうちに傾きが進行して、最悪の場合は建物が倒壊する可能性も考えられます。

少しでも違和感を覚えた場合は、家の傾きの専門業者に相談しましょう。

このページの用語解説

圧密(あつみつ)とは

上部からの圧力により土の体積が減少することを圧密と言う。土の上に家などの重みがかかると、土内部の水と空気が搾り出されて引き締まった土ができる。引き締まった分、表層が沈下する。

地盤沈下修正工事(じばんちんかしゅうせいこうじ)とは

建物の傾きを直す工事の総称。沈下修正工事・家の傾き修正工事とほぼ同じ意味。薬液注入工法、アンダーピニング工法、耐圧板工法、土台上げ工法などがある。

不同沈下・不等沈下(ふどうちんか・ふとうちんか)とは

地盤沈下の影響で建物が傾いた状態のこと。地盤沈下がおきても、建物がストンと傾かずに沈下した場合は不同沈下とは言わない。

よくあるご質問

家の傾きを放置するとどのような悪影響が考えられますか?
家の傾きを放置していると、扉やふすまが閉まりづらくなるだけでなく、めまいや頭痛、吐き気などの健康障害を引き起こす可能性もあります。また、重度な傾斜の放置は、建物へのダメージのみならず深刻な健康障害を招く恐れもあり大変危険です。
大きく傾いていますが進行はしていないと思います。放置して倒壊する危険はありますか?
柱や壁など、家を構成している素材は水平時を想定した強度で作られています。大きな傾きを放置していると家の構造に偏った負荷が加わり続けるため、亀裂やゆがみが少しずつ拡大し、倒壊の危険性が高まってしまいます。
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