震度7の熊本地震による家の傾きと倒壊
熊本地震と地盤の関係
甚大な被害をもたらした熊本地震では、特に益城町(ましきまち)で多くの建物が崩壊しました。
益城町はあの有名な阿蘇山の裾野に位置します。
阿蘇山の火山灰からできた地盤のため、一般的な地盤と比較するとかなり脆弱と言えます。
益城町の中でも倒壊した家とそうでない家があり、その差は一体どこにあったのでしょうか。
これは活断層の分岐のエリアで、断層がすぐ下に通っていたかどうかが大きく関係しています。
建物が多く倒壊した住宅街の真下には、布田川(ふたがわ)断層が通っていたと言われており、平成28年4月15日の深夜過ぎに甲佐町(こうさまち)で大きな被害をもたらした地震の震源地は、日奈久(ひなぐ)断層が通っていたと考えられています。
熊本地震の震度
熊本地震では前震と本震ともに震度7を観測しており、前震の震度7でもなんとか耐えた建物も、本震の2度目の震度7で倒壊した建物が多いと言われています。
避難している住民の方は、「自分の家は古いので前震で倒壊したが、周りは前震では自立していたものの、本震で倒壊した住宅が多い」と話されています。
国が定める耐震基準では震度5強の地震でほぼ損傷せず、震度 6強~ 7の巨大地震が来ても倒壊・崩壊はしないとされていました。
しかしこれは1回目の地震に耐えることが前提であり、同じ場所に続けて2回も大きい地震が続くことを想定してはいないのです。
二度目の地震による家の倒壊
初めの地震で建物がダメージを受け、傾いていて強度が落ちているところへさらに2回目の地震が来ることによって、弱くなった建物が大きく揺れて多くの家が壊れてしまいました。
お家が傾いている状態では、基礎や梁、壁などの耐震強度が大きく落ちていますから、傾いた家を水平に戻しておくことは耐震の観点から見てもとても大切なことです。
立て続けに来た熊本地震では対処のしようがありませんでしたが、現在傾いたままの家にお住まいの方は、早めに家の傾き修正工事を行い、今後の震災に備えておくと良いのではないかと私は思っています。