軟弱地盤に対して地盤改良工事が必要な5つの理由
目次
軟弱地盤が家の傾きの原因となる
地盤改良工事を行っていない軟弱地盤は地震による影響を受けやすく、その上に建っている家を傾けてしまう危険性があります。
地震による液状化を原因としない場合でも、ゆるい地盤の上に数10トン(t)もの家の重量が何年も乗り続けるわけですから、その地盤はジワジワと圧密されて沈下していきます。
地盤沈下するといっても、たいていの場合は全体的に数センチ下がっていく程度なので、ほとんど問題になりません。
ただし地盤の強度が不均一だったり、家のバランスが悪かったり、もしくはその両方の場合には、軟弱な地盤が変形しながら沈下していきます。
この場合には家が大きく傾いてしまい、その度合いによっては住んでいる方に深刻な健康被害をもたらしてしまいます。
軟弱地盤は地震によって揺れやすく、液状化が発生しやすい
一般の木造住宅に比べ、コンクリート造など重い建物のほうが液状化が発生しやすいと考えられています。
ただ、重い建物は新築時にくい打ちや地盤改良工事を行うことがほとんどのため、地震による液状化被害は木造住宅のほうが圧倒的に起こりやすいようです。
地震により揺らされている地盤の上に家などの重量物が乗っている場合、その重みによって水分が絞り出され、液状化現象が発生します。
地盤の揺れ方と内部の水分量によって、液状化現象の規模は大きく左右されるのです。
軟弱地盤上の家は複数回の地震によって倒壊する可能性もある
日本では定期的に発生する大震災に対しての備えは必要です。
軟弱な地盤上では、地震による建物に対する揺さぶりの度合いは大きくなり、家屋の軸組みそのものに物理的なダメージを与えやすくなります。
一度目の地震で家が傾いていて床・柱・壁が垂直ではなくなっている状態は、構造上とても不安定です。
この状態で二度目の地震の影響を受けた場合、傾いていない家と比べると危険度はかなり高いと言えるでしょう。
軟弱地盤上の家は地震以外でも揺れやすい
同じ地域でも、周りよりゆるい地盤の場合は、地震が発生した際の震度が大きくなります。
また、地震以外でも地盤が揺れやすくなっているため、
- 車が通ると家が揺れる
- 台風での家の揺れが大きい
- 小さな地震でも体感震度が明らかに高い
などは、地盤の軟弱さのサインかもしれません。
軟弱地盤は資産価値が低くなっている
同じ家を建てるとしても、もともと強固な地盤であればそのまま家を建てられます。
地盤が軟弱であれば新築時や建て替え時に地盤改良をしたり、杭を打ったりとコストがかかります。
もし液状化した後であれば、よりコスト負担は大きくなるでしょう。
日当たり・駅からの距離などの立地条件はほぼ同程度だったとしても、地盤が軟弱であれば、上記コスト分は割り引いて土地の比較をしなければいけません。
地盤改良済みの地盤であれば、売却時に市場価格以上の評価を受けられる可能性があります。
まとめ
軟弱な地盤のまま(傾いた家のまま)では安全と安心は保証できないと言えるでしょう。
現在では、家が建っている状態でも地盤改良できる工法が確立されています。
新築時に工事をしなかった方も、もし地盤に不安をお持ちでしたら地盤改良工事を検討してみてはいかがでしょうか。
レフトハウジングでは既に建っている家に対しても工事が可能で、住んだまま行える「グランドコンパクション工法(薬液注入工法)」による地盤改良工事をおすすめしています。
このページの用語解説
圧密(あつみつ)とは
上部からの圧力により土の体積が減少することを圧密と言う。土の上に家などの重みがかかると、土内部の水と空気が搾り出されて引き締まった土ができる。引き締まった分、表層が沈下する。
地盤沈下(じばんちんか)とは
土の中の隙間が埋まって表層の土地が陥没すること。地震による液状化でも発生する。
地盤改良工事(じばんかいりょうこうじ)とは
地盤を強化する工事、もしくは建物の傾きを抑制する工事の総称。地盤沈下を抑制することが目的。家の傾きを修正するという意味合いは含まない。薬液注入工法、表層改良工法、杭工法などがある。
軟弱地盤(なんじゃくじばん)とは
建物を建てると今後悪影響がでると推定される強度の地盤のこと。明確な基準はない。
薬液注入工法(やくえきちゅうにゅうこうほう)とは
液体を基礎下の土の中に注入して、その注入圧によって地盤ごと基礎を持ち上げて家の傾きを直す工法。傾きの修正だけでなく地盤改良も兼ねることができる。詳しくは「家の傾き修正工法のそれぞれの特徴と予算の目安」へ。