液状化が発生する可能性が高い場所とは
目次
液状化が起きやすい地域
海や川、用水路の近くなど水分量が多い土地で液状化現象が発生しやすい傾向があります。
埋立地や昔は沼地だったなどの、地下水位が高く、砂を多く含んでいる地盤(昔は海・川・池・沼だった所を埋め立てた場所)の地域でも多く見られました。
特に、海砂によって海を埋め立てた地区などで、悪い条件が重なっている場合には、震度4程度でも液状化の危険性が高いと言われています。
地名に川・谷・田などが含まれている地域では、過去にそれらを埋め立てて宅地にしている場合が多く、液状化の可能性が比較的高い地区だと考えられます。
過去の地盤状況を調べる
土地を購入する前に、過去にその場所がなんであったのかを把握しておくことをおすすめします。
その地区にある図書館へ行けば、昔の地図を閲覧することができますし、話を進めている業者さんに近隣のデータを見たいと頼むと、だいたい手配してくれます。
また、近隣の住人に直接話を聞いてみると、知っていれば教えてくれる場合もあります。
もともとが岩盤であったり、斜面を切り開いていても全てが切土であれば比較的安心と言えるでしょう。
川だったのか、田んぼ、畑だったのか、山だったのかなど状態を把握できれば、おおよその傾向は掴めます。
その情報をもとに、その土地を購入するのか、地盤改良工事が必要か不要か、建物の重さとバランスをどうするかなどを決めていきましょう。
熊本地震における「液状化の帯」
熊本市や益城町などの9つの市町の水路沿いや河川を中心とした場所で、少なくとも500箇所を超える所で液状化現象が見られました。
家が傾いたり、道路や斜面・段差のある場所にひび割れができ、場所によっては砂が大量に噴き出した地域もありました。
熊本地震での液状化による被害は、熊本市南区の南北約5kmにわたる範囲に集中しています。
この地区は内陸部にあたり河川沿いではありませんが、かつて川が流れていた可能性が高いことが調査によって判明しています。
このページの用語解説
液状化現象(えきじょうかげんしょう)とは
砂と水が多い地盤が揺れると発生する。水と砂が分離して、水が噴き出してしまう現象。地盤沈下を引き起こす。
岩盤(がんばん)とは
大きな石や岩でできている地層のこと。極めて固い層でビルの支持層にもなる。
切土(きりど)とは
斜面の土地で、高い部分を削り取って平坦な地面を作ること。比較的強固な地盤になる。
地盤改良工事(じばんかいりょうこうじ)とは
地盤を強化する工事、もしくは建物の傾きを抑制する工事の総称。地盤沈下を抑制することが目的。家の傾きを修正するという意味合いは含まない。薬液注入工法、表層改良工法、杭工法などがある。