要注意!軟弱地盤上に建っている家の具体的な9つの症状
目次
自宅の下は軟弱地盤?良好地盤?
そもそもどの程度をもって軟弱地盤と呼ぶのか、はっきりとした学問上の定義はありません。
建築工事現場において、「液状化現象や地盤沈下が発生する危険性が高いと思われる不良な地盤を指し、家を建てるにはふさわしくない」という現場の経験上の概念です。
例えば、スコップ片手で容易に掘れる場合は、明らかに軟弱地盤と言えます。
もともとが沼地や田んぼ、埋め立て地だった場合は、軟弱地盤の可能性が高いと見るのが一般的です。
気になるようであれば、「【無料】自分でできる家の傾き調査18のチェックポイント」「プロが厳選!自分でできる家の傾きの簡易的な測り方8選」を参考にチェックできますが、実態を掘り下げて知るには施工会社などに家の傾きの測量と診断を依頼することが最良の方法です。
軟弱地盤上の家に不安を抱えていませんか?
- 埋立地、盛り土の上に家を建てているので不安がある
- 擁壁の上に家を建てているので地盤に不安がある
- 以前は田んぼ・池・沼だった土地に家を建てたので不安がある
- 新築の際に地盤改良をしなかったので今後の地震が心配
- 震災への対策を何もしていないので今後の地震が心配
- 地下水位が高い地域なので液状化が心配
上記のお悩みをよく耳にします。
軟弱地盤は今後の大地震だけでなく、小さな地震でもじわじわと地盤に亀裂が生じ沈下が進行することもあり、その抑制には、薬液注入工法による地盤改良工事が効果的と考えられています。
実際に大きく傾いてからよりも、あらかじめ地盤を強化しておくほうが不安を抱えながら生活するよりは健康的なのは確かで、経済的と言えるかもしれません。
【参考記事】 住宅が地盤沈下する原因、「圧密沈下」と「液状化」を知っておこう
しかし、状態にもよりますがその土地で地盤改良が本当に必要かどうかは、対応した業者内でも意見が別れることもあります。
また具体的な症状として、
- トラックや大型の車が通ると家が揺れる
- 以前より家の傾きが大きくなっている気がする
- クロスに裂け目ができてきた
- 壁と天井の隙間がある
- 壁と柱の間に隙間がある
- タイルに亀裂がはしっている
- 床にガタつきがある
- 犬走にひび割れがある
- ブロック塀が傾いている
などが挙げられます。
これらが重なって発生している場合は地盤に問題がある可能性が高く、家が傾いていることも考えられます。
家の傾きは早めに把握して、今後の対策を考えておこう
自宅の地盤が軟弱かどうか把握しておくことは大切です。
もし具体的に家の傾きを感じているのなら、現在も傾きが進行しているのか、もう落ち着いているのかを確認する必要があるでしょう。
軟弱地盤上の住宅が傾いている場合、経年で傾きの数値が大きくなっていく場合がほとんどです。
今は我慢できる傾きでも、一年後はどうなっているかわかりません。
現在の自宅の傾きを数値で記録しておくことは、今後の対策を考える一助となりましょう。
このページの用語解説
犬走(いぬばしり)とは
家の周りのコンクリートを打っている通路部分のこと。
液状化現象(えきじょうかげんしょう)とは
砂と水が多い地盤が揺れると発生する。水と砂が分離して、水が噴き出してしまう現象。地盤沈下を引き起こす。
地盤改良工事(じばんかいりょうこうじ)とは
地盤を強化する工事、もしくは建物の傾きを抑制する工事の総称。地盤沈下を抑制することが目的。家の傾きを修正するという意味合いは含まない。薬液注入工法、表層改良工法、杭工法などがある。
土留め(どどめ・つちどめ)とは
もともとの斜面に土を盛った場合、または土を掘ったときに出来る壁面などが崩れないように、木や鉄の板を縦に設置する工程のこと。山留め(やまどめ)と同じ意味。頑丈な鉄筋コンクリート製のものは擁壁(ようへき)と呼ぶ。
軟弱地盤(なんじゃくじばん)とは
建物を建てると今後悪影響がでると推定される強度の地盤のこと。明確な基準はない。
盛り土(もりつち・もりど)とは
斜面の土地で、低い部分に土を入れて平坦な地面を作ること。比較的軟弱な地盤になる。
薬液注入工法(やくえきちゅうにゅうこうほう)とは
液体を基礎下の土の中に注入して、その注入圧によって地盤ごと基礎を持ち上げて家の傾きを直す工法。傾きの修正だけでなく地盤改良も兼ねることができる。詳しくは「家の傾き修正工法のそれぞれの特徴と予算の目安」へ。
擁壁(ようへき)とは
斜面や段差がある土地で、崩れてこないように土を留めて(とどめて)おくために作られた鉄筋コンクリート造の壁のこと。土留め(どどめ)の一種。