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嵌め殺し

「嵌め殺し」とは?建築用語の意味と特徴を解説

「嵌め殺し」の基本的な意味

「嵌め殺し」(はめごろし)とは、建物の窓の種類の一つで、開け閉めができない固定された窓のことを指します。「嵌める」という言葉は「はめ込む」という意味で、「殺し」は「動かないようにする」という意味があります。つまり、枠にガラスをはめ込んで動かないようにした窓のことです。

建築の世界では、窓は大きく「開閉できる窓」と「開閉できない窓」に分けられます。嵌め殺し窓は後者にあたり、見た目は普通の窓のようでも、実際には開け閉めする機能がない窓です。英語では「Fixed Window」や「Non-operable Window」と呼ばれています。

似た言葉として「はめ殺し窓」「固定窓」「FIX窓」などがあります。同じ意味を持つ言葉ですが、「嵌め殺し」という漢字表記がもっとも正式な表現とされています。

「嵌め殺し」窓の特徴

嵌め殺し窓は、開け閉めができない代わりに、いくつかの優れた特徴を持っています。

まず、枠とガラスの間に隙間がないため、空気の出入りがなく気密性に優れています。このため、外の音が中に入りにくく、部屋の中の熱が外に逃げにくいという特徴があります。つまり、防音性と断熱性に優れているのです。

また、開閉部分や金具が不要なため、作りがシンプルで壊れにくく、値段も比較的安いという利点があります。デザイン面でも自由度が高く、大きなガラス面を確保しやすいため、景色を楽しむための窓や光をたくさん取り入れたい場所に向いています。

一方で、開けられないため換気ができないという大きな制約があります。また、火事などの緊急時に避難経路として使えないという安全面での弱点もあります。このため、一般的には以下のような場所に設置されることが多いです:

  • 手が届かない高い場所
  • 景色を楽しむための大きな窓
  • 光を取り入れるための装飾的な窓

「嵌め殺し」窓の種類

嵌め殺し窓には、使われる材料やデザインによって様々な種類があります。

フレーム(枠)の材質による分類

窓の枠に使われる材料によって、特徴が大きく変わります。

材質 特徴
アルミ製 軽くて丈夫、さびにくい、値段が手頃。ただし熱を伝えやすいため断熱性は低め。
木製 見た目が温かみある、断熱性が高い、湿度を調整する効果がある。ただし手入れが必要で値段が高め。
樹脂製 断熱性が高い、手入れが簡単、長持ちする。アルミより値段は高め。
アルミ樹脂複合 外側はアルミで丈夫さを確保し、内側は樹脂で断熱性を高めた組み合わせ。バランスが良いが値段は高め。

ガラスの種類による分類

嵌め殺し窓に使われるガラスにも様々な種類があります。

単板ガラス:一枚だけのガラス。最も基本的で安価ですが、断熱性や防音性は低めです。

複層ガラス:二枚以上のガラスの間に空気層を作ったガラス。断熱性や防音性が高く、結露も起きにくくなります。

Low-Eガラス:特殊な金属膜をコーティングしたガラス。太陽の熱を反射する効果があり、夏は涼しく冬は暖かく保ちます。

網入りガラス:ガラスの中に金属の網が入っているガラス。割れても破片が飛び散りにくく、防火性能があります。

強化ガラス:熱処理をして強くしたガラス。割れにくく、割れても小さな粒状になるため危険性が低いです。

デザイン・形状の種類

嵌め殺し窓は開閉機能がないため、形やデザインの自由度が高いという特徴があります。一般的な四角形だけでなく、丸窓、三角窓、変形窓など様々な形の窓を作ることができます。また、ステンドグラスのような装飾ガラスを使った芸術的な窓も嵌め殺し窓として作られることが多いです。

「嵌め殺し」窓の設置に関する法規制や注意点

嵌め殺し窓を設置する際には、いくつかの法律や規則に気をつける必要があります。

まず、建築基準法では、住宅の居室(寝室や居間など人が長時間過ごす部屋)には一定の大きさの採光と換気のための開口部が必要とされています。嵌め殺し窓は採光には役立ちますが、換気機能がないため、別に換気できる窓や換気設備が必要になります。

また、火災時の避難経路に関する規定もあります。寝室など就寝に使う部屋からは、火災時に逃げられる経路(通常は開閉できる窓や戸)が必要です。嵌め殺し窓だけでは避難経路として認められないため、別に避難用の開口部が必要になります。

住宅性能表示制度では、窓の断熱性能が家全体の省エネルギー性能に影響します。嵌め殺し窓を使う場合も、複層ガラスやLow-Eガラスなどを使って断熱性を高めることが求められています。

「嵌め殺し」窓のメンテナンス方法

嵌め殺し窓は開閉部分がないため、壊れにくく比較的メンテナンスが簡単ですが、それでも定期的な手入れは必要です。

清掃方法:嵌め殺し窓は開けられないため、外側のガラス掃除には工夫が必要です。1階の窓なら外から掃除できますが、2階以上の窓は清掃用の伸縮棒付きワイパーを使ったり、専門業者に依頼したりする方法があります。最近では、磁石を使って内側から外側も掃除できる道具も販売されています。

結露対策:嵌め殺し窓も結露が発生することがあります。特に単板ガラスの場合は冬に室内側で結露しやすくなります。結露を防ぐには、複層ガラスを使う、室内の湿度を調整する、窓の近くに除湿器を置くなどの対策が有効です。結露が発生したら、こまめに拭き取ることで木枠の腐食やカビの発生を防ぎましょう。

修理・交換:嵌め殺し窓は開閉部分がないため機械的な故障は少ないですが、ガラスが割れたり、枠とガラスの間のシーリング材(防水用のゴム状の物質)が劣化したりする場合があります。シーリング材の劣化は雨漏りや断熱性の低下につながるため、10年程度を目安に点検し、必要に応じて打ち直しや交換を検討しましょう。ガラスが割れた場合は、専門業者に依頼して交換する必要があります。

「嵌め殺し」窓と他の窓タイプとの比較

嵌め殺し窓と他の主な窓タイプを比較してみましょう。

引き違い窓(障子を横にスライドさせて開閉する窓)との比較:

引き違い窓は日本の住宅で最も一般的な窓タイプです。開閉できるため換気が可能で、掃除も両面簡単にできます。一方、枠が太くなりガラス面が小さくなる、気密性が嵌め殺し窓より劣るといった特徴があります。嵌め殺し窓は気密性や断熱性に優れ、大きなガラス面を確保できますが、換気ができないというデメリットがあります。

上げ下げ窓(縦にスライドさせて開閉する窓)との比較:

上げ下げ窓は縦に開閉する窓で、欧米では一般的です。引き違い窓と同様に換気ができる利点がありますが、上下の枠で視界が分断されます。嵌め殺し窓は視界を遮るものが少なく、景色を楽しむのに適しています。

はめ殺し窓と開閉窓の組み合わせ例:

多くの住宅では、嵌め殺し窓と開閉できる窓を組み合わせて使います。例えば、大きな景色が見える場所には嵌め殺し窓を配置し、その横や下に小さな開閉窓を設けるといった方法です。これにより、景色を楽しみながらも換気ができるようになります。また、高い場所には嵌め殺し窓、手の届く高さには開閉窓を設置するといった組み合わせも一般的です。

「嵌め殺し」窓を採用する際のポイント

嵌め殺し窓を家に取り入れる際には、いくつかのポイントを考慮すると良いでしょう。

室内の換気計画との兼ね合い:

嵌め殺し窓は換気ができないため、部屋の空気の流れを考えた計画が必要です。同じ部屋に開閉できる窓を設けたり、換気扇や24時間換気システムと組み合わせたりすることで、室内の空気を新鮮に保つ工夫が必要です。特に、キッチンや浴室など湿気や臭いが発生しやすい場所では、嵌め殺し窓だけでなく、必ず換気設備を設けましょう。

採光・景観との関係:

嵌め殺し窓は視界を遮るものが少ないため、美しい景色を楽しんだり、光をたくさん取り入れたりするのに適しています。窓を配置する際は、太陽の動きを考慮し、朝日や夕日が入る向きに配置すると、自然光を効果的に取り入れることができます。また、外からの視線が気になる場所では、すりガラスやブラインドと組み合わせて、光は取り入れつつもプライバシーを守る工夫も大切です。

インテリアデザインとの調和:

嵌め殺し窓は形やデザインの自由度が高いため、部屋の雰囲気に合わせた窓を選ぶことができます。洋風の部屋には格子のないシンプルな窓、和風の部屋には障子風の窓、モダンな空間には黒枠の窓など、部屋のスタイルに合わせて選ぶと調和のとれた空間になります。また、窓の高さや位置も家具の配置を考慮して決めると、より使いやすい部屋になります。

嵌め殺し窓は、その特性を理解して適切に使うことで、家の快適性と美しさを高めることができます。換気や避難路の確保などの制約を考慮しつつ、光と景色を楽しむための窓として上手に取り入れましょう。

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