基礎とは
基礎は建物を支える土台のことです。私たちの体で例えると、足の裏にあたる部分です。建物の重さを受け止めて地面に伝え、地震が起きたときには揺れを和らげる働きもあります。
基礎がないと、建物は地面に直接触れることになり、雨や地震で地面が変形したときに建物が傾いたり、壊れたりしてしまいます。そのため、基礎は建物を長く安全に保つための、とても大切な役割を担っています。
基礎の種類
基礎には大きく分けて3つの種類があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。
種類 | 特徴 | 適した建物 |
---|---|---|
直接基礎 | 地面の近くに固い層がある場合に使用。工事が比較的簡単 | 小規模な住宅や倉庫 |
杭基礎 | 地中深くまで杭を打ち込む。固い地盤まで届く | 高層ビルやマンション |
べた基礎 | 建物の床全体を覆うように作る。重さを広く分散 | 一般的な住宅 |
基礎の構造
基礎は主に鉄筋とコンクリートでできています。鉄筋は骨組みのような役割で、コンクリートに強さを与えます。鉄筋は縦と横に格子状に組まれ、建物の重さや地震の力に耐えられるようになっています。
基礎には立ち上がり部分と底盤部分があります。立ち上がり部分は建物の土台と接する部分で、底盤部分は地面と接する部分です。この2つの部分が一体となって建物を支えています。
基礎の性能
基礎には次のような性能が求められます:
- 建物の重さを支える力:屋根や壁、家具など、建物に含まれるすべての重さを支えられる強さが必要です。また、人が住んで生活することで加わる重さ(活荷重)も考慮します。地面の強さに合わせて基礎の大きさや形を決めることで、建物全体を安定させます。
- 地震に対する強さ:地震の揺れが建物に伝わったとき、その力を受け止めて建物を守る必要があります。そのため、基礎には横からの力にも耐えられる強さが必要です。
基礎の設計基準
基礎の設計には厳しい基準があります。建築基準法では、基礎の厚さは12センチメートル以上にすることが定められています。また、鉄筋の太さや間隔についても細かい決まりがあります。
地面の固さによっても基準は変わります。固い地面なら比較的小さな基礎でも大丈夫ですが、柔らかい地面では大きな基礎が必要になります。また、地下水がある場所では、水による影響を考えた設計が必要です。
基礎の施工方法
基礎工事は建物を建てる最初の重要な工程です。まず地面を掘り、整地します。次に砕石を敷いて地面を固め、その上に鉄筋を組み立てます。最後にコンクリートを流し込んで固めます。
コンクリートを流し込む際は、気温や天候に注意が必要です。暑すぎたり寒すぎたりするとコンクリートが正しく固まらないことがあります。また、コンクリートが固まるまでの間、十分な養生(保護)が必要です。
基礎工事では、高さや水平を正確に保つことが重要です。わずかなずれが、建物全体の傾きにつながってしまうためです。そのため、測量機器を使って細かく確認しながら工事を進めます。