スウェーデン式サウンディング試験とは
スウェーデン式サウンディング試験は、地盤の硬さや柔らかさを調べるときに用いられる手法です。地面に細長い棒を差し込み、その棒についたねじを回しながらどれだけの力で入り込むかを調べます。専門的な機械を大がかりに使わなくても実施しやすいので、戸建て住宅や小さめの建築物などの地盤調査によく利用されます。
特徴と原理
この試験では、ねじの回転数や、地面にしっかり刺さるまでにかかった力などを測定します。地層の硬さをおおまかに知ることができるため、建物を建てる際の基礎工事などで役立ちます。ほかの地盤調査方法と比べて準備が比較的少なく、調査費用も抑えやすいのが特長です。
- ねじを回すときに必要な力から、土の硬さを推定できる
- 小型の装置で作業を進められるため、狭い場所でも実施しやすい
測定方法と実施の流れ
一般的には、細長い棒の先端についたねじを地面に差し込み、回転させながら少しずつ地中に貫入させます。回転するたびにどのくらいの深さまで刺さったか、またどれだけの重さや力がかかったかを記録します。下の表では、大まかな手順と内容をまとめました。
手順 | 内容 |
---|---|
調査前準備 | 地表面の状況を確認し、障害物や作業スペースをチェックする |
装置の設置 | 棒と計測機器を設置して、垂直に力がかかるように調整する |
ねじの回転 | ゆっくり回転しながら地中に棒を差し込み、どのくらいの重さで貫入できるかを測定する |
記録 | 回転数や貫入の深さなどを記録し、地盤の硬さを推定する材料とする |
得られる数値と活用方法
この試験では、棒が回転しながら地面に入っていく際の抵抗の大きさがわかります。土が固いほど、回転に時間や力がかかるため、数値で硬さを比較しやすくなります。こうした計測データは、建物を支える基礎の設計や、地盤改良が必要かどうかを判断する目安として利用されます。
メリットと留意すべき点
スウェーデン式サウンディング試験は、小さなスペースでも実施しやすく、比較的簡単に地盤の概要を調べられる利点があります。ただし、地盤がとても固い場合や、礫(れき)が多い土地などでは棒が入りづらく、正確な結果を得にくい場合もあります。
- 他の地盤調査と組み合わせると、より精度の高い情報を得られる
- 測定結果だけでなく、土質や水分量なども踏まえた総合的な判断が必要
関連する法規や指針
日本の建築基準では、建物を建てるときに地盤調査の実施が推奨されています。スウェーデン式サウンディング試験は、地盤の安全性を確かめるための方法の一つとして扱われ、住宅や中小規模の建築物の計画時に広く活用されています。設計者や施工業者は、必要に応じてこの試験の結果を踏まえながら基礎の種類や補強方法を検討します。