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着工

着工とは

着工とは、建物や構造物を建てるための工事を実際に始めることを指します。地面を掘ったり、基礎工事を始めたりと、目に見える形で工事が動き出した状態を意味します。建設業界では、計画や設計、申請などの準備段階から実際の建設作業へと移る重要な転換点となります。

建設業界において、着工は工事全体の流れの中で大きな区切りとなります。着工前には様々な準備や手続きがあり、着工後は実際の建設作業が次々と進んでいきます。工事の進み具合を示す際には「着工から○ヶ月」という表現がよく使われます。

法律上では、建築基準法において着工は建築確認済証の交付を受けた後に行うものと定められています。無許可で着工すると違法建築となり、工事の中止命令や罰則の対象となることがあります。また、建築主は着工する際に役所へ「着工届」を提出することが一般的です。

着工の前に必要な手続き

着工する前には、いくつかの重要な手続きを済ませておく必要があります。これらの手続きを怠ると、工事の途中で問題が発生したり、最悪の場合は工事を中止しなければならなくなったりする可能性があります。

最も重要なのは建築確認申請です。これは建物の計画が建築基準法に適合しているかを確認するための手続きで、特定行政庁や指定確認検査機関に申請します。申請が受理され「確認済証」が交付されると、正式に工事を始めることができます。住宅の場合、この手続きには通常2〜4週間ほどかかります。

建物の種類や建設地によっては、建築確認以外にも様々な許可や承認が必要になることがあります。例えば、農地に建てる場合は農地転用許可、保安林内なら林地開発許可、都市計画区域内では開発許可など、土地の状況に応じた手続きが必要です。また、建物の用途によっては消防署や保健所などの承認が必要な場合もあります。

さらに、実際の工事が始まる前には近隣住民への挨拶や説明も大切です。工事中は音や振動、埃などで周辺に迷惑がかかることもあるため、事前に工事の内容や期間について説明し、理解を得ておくことが円滑な工事進行につながります。多くの場合、建設会社が「近隣挨拶」として周辺住民を訪問し、工事のお知らせと協力のお願いを行います。

着工日の決め方

着工日は様々な要素を考慮して決定されます。適切な着工日を選ぶことで、工事をスムーズに進め、品質や安全性を確保することができます。

最適な着工時期を選ぶ際には、まず工事の種類と地域の気候を考慮します。基礎工事やコンクリート打設は、凍結や大雨の影響を受けやすいため、極端な寒さや梅雨時期は避けるのが一般的です。特に積雪地域では、雪解け後の春から秋にかけての期間に着工することが多くなっています。

季節による影響も大きな要素です。夏は日照時間が長く作業効率が上がりますが、猛暑日には熱中症対策が必要になります。冬は日照時間が短く、寒さによってコンクリートの養生(固まる過程)に時間がかかることがあります。また、年末年始やお盆などの長期休暇の前後は、資材の調達や職人の確保が難しくなることもあります。

工程計画との関連性も重要です。着工日を決める際には、基礎工事、上棟、内装工事など、各工程にかかる期間を考慮し、全体の工期を見積もります。また、電気や水道などの設備工事のタイミングや、検査の日程なども考慮して着工日を決定します。工事の種類によっては、特定の工程を特定の季節に合わせる必要がある場合もあります。

着工式について

着工式は、工事の安全と順調な進行を祈願するために行われる儀式です。すべての建設現場で行われるわけではありませんが、特に大規模な建設プロジェクトや公共施設の建設では、着工式が執り行われることが多くあります。

着工式の主な意義は、工事の安全祈願と関係者の決意表明にあります。工事中の事故や災害を防ぎ、無事に建物が完成することを祈ります。また、建築主や施工者、設計者など、建設に関わる人々が一堂に会し、プロジェクトの成功に向けた決意を新たにする機会でもあります。

一般的な着工式の流れは、まず関係者が集まって挨拶や祝辞を述べ、次に鍬入れ(くわいれ)や鎌入れと呼ばれる儀式を行います。これは建築主や重要な関係者が、象徴的に鍬や鎌で地面を掘る動作を行うものです。その後、記念撮影を行い、場合によっては簡単な懇親会が開かれることもあります。着工式の準備としては、会場設営、参加者への案内状送付、プログラムの作成、記念品の用意などが必要になります。

地鎮祭と着工式は似ていますが、厳密には異なる儀式です。地鎮祭は土地の神様を鎮め、工事の安全を祈る宗教的な儀式で、神主や僧侶が執り行うことが多いです。一方、着工式は宗教色のない儀式で、工事の開始を祝う式典としての性格が強いです。多くの場合、地鎮祭を行った後に着工式を行いますが、両方を同時に行うこともあります。

着工と工事の流れ

着工後は、計画に沿って様々な工程が順序立てて進められていきます。建物の種類や規模によって詳細は異なりますが、一般的な住宅建設の場合の主な流れを見ていきましょう。

工事段階 主な作業内容 一般的な期間
着工〜基礎工事 地盤調査、整地、掘削、基礎配筋、コンクリート打設 2〜4週間
躯体工事 木造なら上棟・建て方、鉄筋コンクリート造なら型枠・配筋・コンクリート打設 3〜8週間
屋根・外壁工事 屋根材の取り付け、外壁の下地処理と仕上げ 2〜4週間
内装・設備工事 電気配線、水道配管、断熱材施工、内壁・天井の仕上げ、床材施工 4〜8週間
仕上げ工事 建具取付、キッチン・浴室などの設備設置、塗装、クリーニング 2〜4週間
竣工・検査 完了検査、引き渡し前点検 1〜2週間

着工から竣工(工事完了)までの期間は、建物の規模や構造によって大きく異なります。一般的な木造住宅の場合は約3〜6ヶ月、鉄筋コンクリート造のマンションなどの場合は1〜2年以上かかることもあります。また、天候不良や資材調達の遅れ、設計変更などによって工期が延びることもあります。

工程表における着工の位置づけは、実作業の開始点として非常に重要です。着工日が決まると、それを基準にして各工程の予定日が設定されます。工程表には「着工後○日目」や「○月○日」などの形で各作業の予定が記載され、工事の進捗管理に使用されます。着工が予定より遅れると、その後のすべての工程にも影響が出るため、着工日の設定と管理は工事全体の成否を左右する重要な要素となります。

着工遅延について

着工遅延とは、当初予定していた着工日に工事を開始できない状況を指します。様々な理由によって発生し、工事全体のスケジュールや費用に大きな影響を与えることがあります。

着工遅延の一般的な原因としては、以下のようなものが挙げられます:

  • 建築確認申請や各種許可の取得の遅れ
  • 土地の問題(境界確定の遅れ、地中障害物の発見など)
  • 設計変更や図面の修正
  • 資金調達の遅れや住宅ローンの審査長期化
  • 請負業者や下請け業者の都合
  • 材料や機器の調達の遅れ
  • 悪天候による作業不能
  • 近隣住民との調整難航

着工遅延が発生すると、工事全体のスケジュールが後ろにずれるため、当初予定していた完成時期も遅れることになります。これにより、新居への引越し計画や現在の住居の退去時期の変更を余儀なくされることがあります。また、工期延長による追加費用(仮住まいの延長費用など)が発生したり、材料費の値上がりや人件費の増加によって当初の予算を超えたりすることもあります。

着工遅延を防ぐためには、早めの計画と手続きが重要です。建築確認申請や各種許可申請は余裕を持ったスケジュールで進め、土地の状況も事前に詳しく調査しておくことが大切です。また、設計内容を早期に確定させ、変更を最小限に抑えることも重要です。資金計画も余裕を持って立て、ローン審査にも十分な時間を確保しましょう。さらに、建設会社と密にコミュニケーションを取り、進捗状況や問題点を常に確認しておくことで、遅延のリスクを減らすことができます。

着工に関連する重要書類

着工に際しては、いくつかの重要な書類が必要になります。これらの書類は法的な手続きや工事の記録として重要なだけでなく、万が一のトラブル時にも証拠として役立ちます。

着工届は、建築確認を受けた後、実際に工事を始める際に特定行政庁(市区町村の建築主事など)に提出する書類です。建築主の情報、建設地の所在地、工事の開始日と完了予定日、設計者や工事施工者の情報などが記載されます。着工届の提出は建築基準法で義務付けられており、提出しないと罰則を受ける場合があります。提出期限は地域によって異なりますが、一般的には着工の7日前までとされています。

工事請負契約書は、建築主(注文者)と建設会社(請負者)の間で交わされる契約書です。工事の内容、請負金額、支払い条件、工期、瑕疵担保責任(欠陥に対する保証)などの重要事項が記載されています。契約書は双方で署名・押印し、各自保管します。この契約書は工事中のトラブルや引き渡し後の不具合が発生した際の対応の根拠となるため、内容をよく確認してから締結することが重要です。

工事計画書(施工計画書)は、建設会社が作成する文書で、工事の具体的な進め方を示したものです。工事の概要、工程表、施工方法、使用する材料や機械、品質管理方法、安全対策などが詳細に記載されています。この書類によって、発注者(建築主)は工事がどのように進められるかを把握できます。また、工事に携わる作業員や下請け業者にとっても、作業の指針となる重要な文書です。工事計画書は建築主に提出され、内容について合意を得た上で着工することが一般的です。

着工と資金計画

着工に際しては、適切な資金計画が欠かせません。特に住宅建設の場合、多額の費用がかかるため、計画的な資金準備と支払いスケジュールの把握が重要です。

着工時には、いくつかの費用が必要になります。まず、建築確認申請や各種許可申請の手数料があります。これらは金額としては大きくありませんが、事前に支払う必要があります。次に、契約時に支払う「契約金」や「着手金」があります。これは工事請負金額の10〜20%程度が一般的です。この資金は、建設会社が材料を発注したり、下請け業者に前払金を支払ったりするために使われます。また、地鎮祭や着工式を行う場合は、その費用も必要になります。

住宅ローンと着工のタイミングも重要な検討事項です。一般的な住宅ローンの場合、融資実行(お金が実際に借りられる)のタイミングは着工後になります。多くの金融機関では、建築確認済証の提出や工事請負契約書の確認を行った上で、工事の進捗状況に応じて融資を実行します。つまり、着工前や着工時に必要な費用(契約金や着手金など)は、自己資金で賄う必要があることが多いです。土地と建物を同時に購入する場合は、土地代金の支払いと建物の着工時期を調整する必要があるでしょう。

工事代金の支払いスケジュールは、一般的には工事の進捗に合わせて分割で支払われます。典型的な支払いスケジュールとしては、契約時(10〜20%)、上棟時(20〜30%)、中間金(20〜30%)、完成時(残金)という4回払いが多いですが、これは建設会社や工事の規模によって異なります。大規模な建設工事の場合は、もっと細かく分割されることもあります。支払いのタイミングと金額は工事請負契約書に明記されるため、契約前にしっかり確認しておくことが大切です。また、工事中に設計変更や追加工事が発生した場合は、追加費用が必要になることもあります。そのため、予算には余裕を持たせておくことをお勧めします。

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